NPO通信No.164

【NPO法人関連ニュースから:8月号】


「車いす 千里浜走る バリアフリーツアー」

 NPO法人「石川バリアフリーツアーセンター」(金沢市)では、障がいのある人や高齢者の旅行支援を行っています。「『行ける所』を探すのではなく、『行きたい所へ行けるように』」という方針で活動し、五年ほど前からモニターツアーを企画しています。
 8月に行われた「日本で唯一!車いす滝行&車いすで走る千里浜の旅」モニターツアーでは、車いすの参加者が、千里浜なぎさドライブウェイを走り、中能登町の不動滝では滝行を体験したそうです。今回は北海道や沖縄、石川県内などから車いすの六人と介助者、途中から加わる人を含めて二十人余りが参加しました。
 マイクロバスでなぎさドライブウェイに到着し、真っ先に車いすで砂浜を走った参加者は「気持ち良かった。海は眺めるものと思っていた。波の音を聞きながら砂浜を走るのは初めて」と喜びの声をあげていました。
 同NPOの理事長は「みんな喜んでいて良かった。不便を感じる部分もあると思うので、意見を聞いて次の旅までに改善していきたい」と話していました。
(8月22日 中日新聞)

 

「ヤマネコ保護区拡大目指す、土地購入へ寄付協力訴え 対馬のNPO」

絶滅が心配される国の天然記念物ツシマヤマネコの保護活動に取り組んでいるNPO法人「ツシマヤマネコを守る会」(長崎県対馬市)は、同市上県町北西部の民有林を購入して独自に設定している保護区の拡大を目指しています。現在の約40ヘクタールに加え、周辺の約30ヘクタールを買い上げる計画で、費用の助成や寄付などの協力を呼びかけています。
 同NPOが保護区に設定している山林内は、市内でも特にヤマネコの生息密度が高い地域といわれています。保護区はすり鉢状をした地形の中に点々と分散しており、周辺部を買い上げて一体的に保護に取り組む考えです。
 購入する予定の畑跡では耕作に取り組み、ソバ、サツマイモなどを植え、ヤマネコの餌となる野鳥や小動物を増やす予定です。また、対馬で昨年2月、国内で38年ぶりに野生のカワウソが確認されたことを踏まえ、沢を整備してカワウソが生息できるようにもしたいと考えています。
 購入費は企業や団体からの助成金、会員からの寄付金を充てる予定だそうで、NPO会長は「ヤマネコの個体が減少している中で、この山林一帯は生息に重要な場所。皆さんに理解してもらい、寄付の協力を訴えていきたい」と話しています。
(8月23日 読売新聞)

 

「屋久島のウミガメ保護活動、30年で幕 後継者がいない」

 絶滅危惧種ウミガメの上陸、産卵数が日本で最も多い鹿児島県の屋久島で、30年余り浜での保護や清掃活動に取り組んできたNPO法人「屋久島うみがめ館」(屋久島町)が後継者不足を理由に活動を終えます。ウミガメは島の観光の目玉ですが、浜の見守りがいなくなることで将来が心配されています。
7月初旬には、屋久島西部にある永田浜で、ウミガメの産卵を確認後、調査員はカメのサイズや上陸地点、産卵箇所を書き取り、産卵地に目印の棒を立てる活動を行いました。
同NPOでは、カメが上陸、産卵して孵化する5月下旬から8月下旬、毎日、日没から明け方まで浜を歩いています。卵が高波に流されたり、人に踏まれたりしないよう浜の奥への移植や清掃活動、地域の小学校での教育活動もこなしています。
しかし、同NPOの代表が病気を患い、今年は浜を数日しか歩けておらず、ピーク時に70人余りいたメンバーは参加者が減り、現在は数人で活動していました。若い担い手も現れないことから、今シーズン限りの解散を発表したそうです。
(8月26日 朝日新聞)

(NPO会計税務研究協会 事務局 河合理恵子)