設立の背景
NPO通信No.12
少子高齢化とNPOの関係

 我が国のNPO法人は、少子高齢化社会の産物といってもいいほど、両者の間には密接な関係があると私はにらんでいます。
戦前のように子どもの数が多かった時代は、男性は多くの家族を扶養しなければならず、また女性は育児や家事で体力を使い果たしてしまうために老化が早く、当然夫婦の蓄えも少ないため、老後も可能な限りの労力を提供しつつ、孫の世話などをしながら子どもに面倒を見てもらうというのが基本的な生活スタイルでした。
 少子高齢化は、このような男性の扶養負担や女性の家事負担・育児負担を大きく軽減させて、子育て後に余力を残しただけでなく、夫婦の経済的な余裕、時間的な余裕も生ずる結果となりました。子どもの数が少なく、また全自動洗濯機や電子レンジ、レトルト食品など生活環境も大きく向上した現代においては、女性は育児や家事で体力を消耗して老化を早めることもなくなりました。男性の扶養負担も、ニート化した子どもに対して長期化することはあっても、全体としてはやはり軽減されました。核家族と少子化の相乗効果によって、姑が孫の面倒を見たり、子どもが親の面倒を見るというスタイルも当然廃れてきています。
 それが、NPO法人にどう関係しているというのでしょうか。
 最近の調査によると、NPO法人で活動する人たちは総じて女性が多く、特に40代、50代の女性が多いようですが、これはまさしく少子化によって家事負担や育児負担から早期に解放された女性たちが社会参加を求めてNPO法人に関わっているものでしょう。
 少子化の原因の1つに女性の高学歴化がよく挙げられますが、女性の高学歴化は、家事や育児に飽き足りない女性のNPO法人への参加を促すだけでなく、さらに少子化を通じてもNPO法人への参加を促しているという2つの面を併せ持っているようです。
 また、NPO法人で活動する男性については20代と60代の男性の割合が高いようですが、これも少子化によって経済的余裕の生じたシニア世代と、そのシニア世代を含む親の世代から経済的に自立できない若年層ととらえることができます。彼らが、そんなにあくせく働く必要がないのは、親の面倒を見る必要がないどころか、親の世代に頼っているからに違いありません。
 こう見てくると、NPO法人の有り様が我が国の世代構造や家族の構造、家族関係を反映していることにあらためて驚かされます。
                                                            (田中義幸)

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