設立の背景
NPO通信No.13
多種多様なNPO法人

 一口にNPO法人といっても、その性格は実にバリエーションに富んでいます。同じ法制度の下に存在していても、会社とほとんど変わらないNPO法人から、無償の社会奉仕を目的とするNPO法人まで、NPO法人はその内容の多種多様なことにおいては会社などの営利法人以上だといっていいでしょう。
 そこで、こうしたNPO法人の種類をいくつかに分けてみると、まず1番目に「ビジネス型NPO法人」があげられます。これには、明らかに営利企業のNPO部門のようなものから、顧客開拓のためのネットワーク型の受け皿としてNPO法人化したもの、起業するのにNPO法人のクリーンなイメージを活かそうというもの、一般企業や社会福祉法人などと競合する介護ビジネスを展開するもの、NPO法人の設立や運営を支援するビジネスを展開するいわゆる中間支援組織などがあります。これらは、顧客やシェアを求めて積極的にビジネスを展開するところにその特徴があります。
 2番目にあげられるのは、「準ビジネス型NPO法人」です。これは、子育て支援事業や高齢者の家事支援事業などのような事業を展開しているNPOですが、派遣するスタッフに主婦や定年者などのボランティアを活用しています。そのため利用者に対しては、営利法人のベビーシッターなどより低廉な利用料を請求していますが、ボランティアに頼っているため、必ずしもサービスの質が高くなく、ニーズがある割に利用度はそう高くありません。ビジネスを志向していながら、ビジネスとして成立していないところに準ビジネス型とする理由があります。
 3番目は、「法人格取得型NPO法人」です。これは、大きな学会や専門家の団体など、もともと任意の団体として事業を行っていたところが、法人格を得るためにNPO法人化したものです。NPO法人の法人格取得の容易さが選択されただけのことで、NPO法人化したために特に事業が大きく変更されたり、組織が変動するというようなことはあまりありません。
 4番目は、「社会奉仕型NPO法人」です。これは、福祉、人権、環境などを活動分野としてもっぱら社会奉仕活動を行うNPO法人です。会費や寄附金、助成金、補助金などを資金源として、相手方に対価を求めない活動や事業を行いますが、多くは任意団体としての活動実績もあり、
   NPO法人化は、より社会的な信頼性を高めて、国際的な活動を円滑にしたり、寄附を集めやすくするために選択されたものです。 NPO法人制度はもともとボランティア団体に法人格を与えるために作られた制度でしたが、NPO法人がボランティア団体や福祉団体にとどまっていたら、今日のようなNPO法人の活況はなかったと思います。むしろ、ボランティアや福祉団体の枠を大きく踏み越えて会社と同じようなビジネスを展開しているNPO法人が数多く存在していることが、NPO界全体に活況をもたらしているといえるのではないでしょうか。
                                                            (田中義幸)