宗教アカウンタント通信No.129


〇檀信徒さん対応とワクチン接種


〇檀信徒さん対応とワクチン接種

今年もお盆の時期が終わりました。拙寺の地域では緊急事態宣言下でのお盆となり、多少なりとも緊迫 した空気の中でのお盆となりました。

檀信徒さんが集合される施餓鬼法要についても、本堂の中に入っていただくのを世話人さんに限定する など、「密」の回避を心掛け、結果的に混乱を招くこともなく無事に終了しました。それぞれの檀信徒 さんと時間をかけて直接お話することはかなわなかったのですが、お元気そうなご様子をうかがうこと ができ、有意義なお盆となりました。

さて、新型コロナウイルス感染防止の目的で、ワクチン接種が進んでいます。拙寺にお見えになる檀信 徒さんとの会話も、まずは「ワクチン、打ち終わりましたか?」という問いかけが日常となりました。

そして、それに対する檀信徒さん、特に高齢のお檀家さんのお答えで圧倒的に多いのが「子供が(もし くは孫が)ネットでさっと予約してくれたので助かった。もう2回終わりましたよ」というものです。

お子さんたちと一緒に暮らしているわけでもなく、平素のお話の中でそれほどご家族のことを口に出す わけでもなかった方々からそのような言葉が聞けたのがなんとも嬉しく、それぞれのご家庭で家族とい う有機体がしっかり機能しているのだと改めて感じました。

もちろん、「もう高齢だし、人とも会わないのでワクチン接種を受けないという選択をした」という方 もおられました。接種は国民の義務ではありませんし、それはそれでひとつの見識ではあります。

筆者は6月、7月で2回の接種を済ませ、その後も感染対策に留意しながら法事やご葬儀を行っております。 現状、法事の後の会食は行っておりませんし、檀信徒さんとじっくりお話をすることもままなりません。

それでも、檀信徒さんのご家庭でご不幸が発生しましたらご遺族の方と電話等でじっくりお話をし、故人 の人となりについて聞かせていただき、お戒名を授与し、お通夜の席で(マスク着用の上で)法話をする、 そのような流れは変えておりません。

当面は行政の指針に従って動き、状況の好転を待つ。メンタル面での不安を打ち明けてこられる檀信徒さん からは丁寧に話を聞き、少しでも心がおだやかになるようなお話をする。こういった地道な行動を、引き続 き積み重ねていきたいと思います。


(宗教法人アカウンタント養成講座 講師 高橋 泰源)