宗教法人アカウンタント通信No.156


〇京都諸寺参拝


〇京都諸寺参拝

先月の中旬、檀信徒さんとご一緒に、一泊二日で京都の名刹を参拝してまいりました。宗派の用事で京都に行くことは珍しくないのですが、今回は添乗員、ガイドも兼ねた団体参拝の引率ということで、ほどよい緊張感の中で諸寺を参拝させていただき、実りのある旅となりました。

具体的には真言宗の古刹である東寺、仁和寺、大覚寺を巡りました。東寺では国宝の五重塔、本尊薬師如来と日光月光菩薩、さらに皆様ご存じの立体曼荼羅。仁和寺は本尊阿弥陀如来と観音・勢至菩薩およびそのバックヤードにある特別公開の五大明王の壁画。大覚寺は嵯峨天皇ゆかりの品々や大沢池の美観。いずれも平安時代の創建で、焼失などのアクシデントを経験しながらも1000年を超えて存続してきた「強さ」と「品格」が伝わってきました。

夜間はライトアップして夜間公開している東山の圓徳院、高台寺を拝観。隣接している両寺院ですが、前者は北政所が秀吉をしのんで眺めた小さな庭をに静かに眺めることでいにしえの古都を体感できたのに対し、後者は庭園を舞台にプロジェクションマッピングを展開。ロック調の音楽に乗せて石庭を舞台にしてさまざまな光の模様が動き踊るさまは、いわゆるトラディショナルな寺の佇まい、ありようとはかけ離れたものではありましたが、他寺との差別化という点では完全に成功しており、既成概念の打破という意味ではこれはこれでよいのではと思いました。

大覚寺から渡月橋へのバス移動も渋滞が懸念されましたが拍子抜けするくらいに順調で、10分で到着。さすがに渡月橋の上は外国人旅行客の方を中心に大賑わいでしたが、息苦しさを感じることもなく、嵐山の紅葉をじっくり楽しめました。

結論として、「ある程度覚悟していた『どこへ行っても観光客』という状況は皆無で、観光シーズンの京都をじっくり堪能できた」という感想が残りました。おそらくその理由のひとつは「名刹がおしなべて広大な敷地を持つ施設であり、人口密度は高くならない」ということであり、もうひとつは「密教系寺院は概して宣伝や集客に熱心でないため、観光客が押し寄せるまでに至らない」ということであろうと、個人的には考えます。

時折しも11月はさまざまな寺宝、文化財が特別公開される時期。上述の古刹のみならずさまざまな寺院が寺宝を公開していますので、来年以降にご旅行を考えている方はお含みおきの上プランニングをなさってください。


(宗教法人アカウンタント養成講座 講師 高橋 泰源)