NPO通信No.176

【NPO法人関連ニュースから:8月号】

「原宿に『タピオカ専用ゴミ箱』飲み残し分別も、設置場所拡大へ/東京」

タピオカブームの一方で容器のポイ捨てなども問題となる中、「タピオカ専用」のゴミ箱が8月1日、原宿・神宮前交差点そばにあるコミュニティースペース「subaCO(スバコ)」内に設置されました。

全国的ブームとなっているタピオカドリンクは、渋谷・原宿エリアでも台湾発ブランドや新業態などの出店が続く一方で、テイクアウトしたドリンクは、購入した店から離れて飲み歩きする人が多く、残った液体やタピオカなどの処理も難しいことから、深刻な問題になっています。

こうした問題に解決の糸口を見いだそうと手を挙げたのが、平成14年に原宿で立ち上がり、街のゴミ拾い活動を行うNPO法人「green bird」(渋谷区)。原宿〜表参道間には現在、13カ所にゴミ箱が設置されているものの、形状の大きいタピオカ容器がゴミ箱の投入口をふさいでしまい、その周辺にゴミがあふれかえるなどの光景を連日目の当たりにしてきたそうです。

7月に原宿に出店した黒糖タピオカ専門店「謝謝珍珠(シェイシェイパール)」とタッグを組み、タピオカドリンクの容器を模した専用ゴミ箱を、同NPOが運営するスバコ内に設置しました。どの店のタピオカドリンクも捨てられます。

「SNS映え」を狙った専用ゴミ箱で、「思わず捨てたくなる仕掛けにした」と同NPO代表の福田さんは話しています。今回設置したゴミ箱では、回収したタピオカ容器1つにつき1円が、同NPOの活動に寄付されるシステムも導入しており、福田さんは「罰則や批判をするのではなく、問題に歩み寄って解決できないかと考えた。購入場所にかかわらず、どんなタピオカブランドの容器も捨てられるゴミ箱。他の店もそうしてもらえたらうれしい」とも話しています。
(8月5日 みんなの経済新聞ネットワーク)

 

「ドイツで震災体験スピーチ=福島で被災の高校生」

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島県出身の高校生9人が、ベルリンを訪れ、現地の高校生を前に震災体験を英語でスピーチしました。時に涙で声を詰まらせて避難生活などを語り、数百人の聴衆が熱心に聞き入りました。

現在も大半が帰還困難区域になっている浪江町出身の戸川さんは、震災後「賠償金をもらっているとか、放射能を持ち込んでいるとか、ひどい言葉を多くぶつけられた。仲が良かった子は、ロッカーに死ねと書かれた」と涙を浮かべていじめの体験を語りました。

郡山市出身の久下さんは「海外の普通の人が、日本を助けに駆けつけてくれた。勇気を持てば、私も誰かを助けられると思えるようになった」と話し、大きな拍手を受けました。

今回のスピーチは、日本のNPO法人「アースウォーカーズ」(福島市)が主催する福島・ドイツ高校生交流プロジェクトの一環で行われ、福島の高校生は2〜3週間ドイツに滞在して各地で震災体験を伝える一方、再生可能エネルギーなどについて学ぶそうです。
(8月9日 ベルリン時事)

 

「防弾バックパックが店頭に 米の銃乱射から、子供を守るために」

銃乱射事件が後を経たないアメリカで、8月4日には、オハイオ州デイトンで9人、8月3日にはテキサス州エルパソで20人が犠牲になりました。

そんな中、9月に学校が新学期を迎えるアメリカの量販店の店頭では、文房具やノートなどの学校用品に加え、今年は「防弾バックパック」が並んでいます。

今までは主にネットで販売されていましたが、保護者の需要が高まり、店頭でも販売されるようになったとテキサスのローカルTV局KXANは報じています。

Guard Dog Security社の「防弾バックパック」は約100ドルから300ドル(約1〜3万円)で、様々な色や模様、スタイルが販売されています。レベル3の保護力があるとし、9mmまたは.44のハンドガンからの保護が可能だそうです。

同社の設立者ヤジル・シェイク氏はこのバックパックについて「怖がるのではなく、準備をしておくこと」が重要だと話し、「学校の安全についての会話を始めることが大切」と米ABCに話しました。

この防弾バックパックの売り上げの一部は、学校の安全の改善のため活動するNPO団体Make Our Schools Safe(私たちの学校を安全に)に寄付されるそうです。
(8月5日 ハフポスト日本版)


(NPO会計税務研究協会 事務局 河合理恵子)