NPO通信No.177

【NPO法人関連ニュースから:9月号】

「龍ケ崎市とNPO 貧困の子にプレゼントを クラウドファンディングで支援金募る」

 子どもの貧困問題を巡り、龍ケ崎市はNPOと共に、支援金をインターネット経由で募るクラウドファンディング(CF)に乗り出します。目標額は100万円で、主に12月25日に贈るクリスマスプレゼント代に充てる予定です。こうした取り組みは全国的に珍しく、県内では初めての試みです。期間は12月18日までですが、並行して食べ物やまだ利用できる文房具、おもちゃの寄付もNPOで受け入れています。
 この事業は、20年近くにわたって国内外の貧困対策に取り組むNPO法人「NGO未来の子どもネットワーク」(龍ケ崎市)が主体となって実施しています。昨年も「子ども宅食配」として、経済的に苦しむ児童生徒に、善意で寄せられた食材やおもちゃを届けましたが、2度目となる今回は初めてCFを活用し、広く支援を呼び掛けることで、貧困を身近に感じてもらう狙いもあります。
 CFのウェブサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」に専用ページを開設しており、1口5千円か1万円単位で、クレジットカード決済やコンビニでの現金払いが可能です。目標額に達しなくても事業を進め、返金しない予定だそうです。
 支援者には、子どもたちの手紙やボイスメッセージで感謝を伝え、当日は市職員や保護司、民生委員・児童委員らがサンタクロースに扮して品々を手渡します。
 NPO代表は「寂しい思いをしている子どもたちに明るく楽しい時間を過ごしてほしい。その後の支援にもつながるはず」と訴えました。
(9月26日 茨城新聞クロスアイ)

 

「【日本初】外国人材を直接採用できるチャットアプリ「jobchain」を提供開始」

 jobchain株式会社は、地方・中小企業の人手不足の需求に応えるため、在日・海外在住の外国人求職者を直接に採用できるチャットアプリ「jobchain」アプリケーションの提供を開始しました。同サービスは、企業の採用担当者と外国人材が直接やりとりすることで、人材難の地方・中小企業に就労させることを狙いとしています。
 企業は登録料・利用料・求人出稿料が無料ですが、採用が決定した場合、企業が月収の10%を手数料として支払います。
 同社は2014年にNPO法人として発足し、4年間連続で新宿区、世田谷区に助成事業として認定されました。東京都助成事業として展開し始め、事業拡大のため株式会社を設立し、日本の人手不足問題を解決していきたいと活動しています。
 2020年の東京五輪や25年の大阪万博に向けてホテルや免税店、飲食店などのサービス業を開拓し、5年後をめどに企業で5万社、外国人材は50万人の登録を目指していくそうです。
(9月9日 PRTIMES)

 

「熊本県鳥獣保護センターの運営NPOが撤退へ 人手不足、エサ高騰…『限界』」

 熊本県御船町にある県鳥獣保護センターの業務を長年受託してきたNPO法人「九州鳥獣保護協会」(熊本市)が、人員不足などを理由に本年度で運営を退くことになりました。県は来年度以降の委託先を探していますが、まだ業務委託先が決まっていないようです。
 同協会によると、2016年の熊本地震の影響で職員が減り、現在はパート職員を含む計3人で運営しています。人員不足の深刻化と高齢化が進み、運営継続が困難と判断しました。今年5月の総会で来年度は応募しない事を決定し、同月下旬、県へ通知しました。
 年間委託費は約1,370万円(本年度)ですが、「施設の維持費や人件費に加え、エサ代の高騰で赤字が続いていた」と同協会の理事長は話しています。また、単年度契約のため「来年の雇用も約束できず、後継者育成はおろか新たな職員すら集まらない状況だった」といいます。
 同協会の決定を受け、県自然保護課は「来年1〜3月の公募時期までに新たな委託先を探したい」としていますが、関係者からは「今と同じ条件で引き受け手を探すのは難しいのではないか」と不安の声が漏れているそうです。
(9月17日 熊本日日新聞)


(NPO会計税務研究協会 事務局 河合理恵子)