NPO通信No.194

【NPO法人関連ニュースから:2月号】

「NPO法人の災害救助犬が活躍」

 NPO法人「災害救助犬静岡」(静岡県菊川市)が熊本地震や西日本豪雨など被災各地で、捜索活動に貢献しています。2016年には静岡県警と災害連携協定を締結し、要救助者の迅速な発見、保護に期待がかかります。倒壊家屋やがれき現場が再現された菊川市の災害救助犬訓練場では約20頭が所属し、人のにおいを頼りに要救助者を探す訓練を行っています。実際に成果が表れたのが2018年7月の西日本豪雨で、生存者の救助には至りませんでしたが、救助犬が反応を示した場所から2週間後、1人が遺体で見つかりました。当初、自衛隊員から「そこに人がいるはずがない」と言われましたが、撤去作業を進める中で発見されました。その後、熊本地震や九州北部豪雨などでも数人の遺体を探し当てました。スイスや米国では、救助隊が受け入れやすいように認定試験に合格した救助犬やハンドラーの情報を国が登録管理する仕組みがありますが、日本にはありません。東日本大震災以降、行政や警察消防の間で災害救助犬の活用に向けた動きが全国的に活発化しましたが、災害救助犬の技能にばらつきがあり、派遣しても受け入れてもらえないケースがあります。災害救助犬活動は民間ボランティアの善意に頼っているのが実情で、県外の捜索救助隊との連携態勢構築や資金支援など改善すべき課題は多いようです。
(2月14日 静岡新聞社)

 

「城崎にて、本と温泉プロジェクト」

 日頃は城崎温泉でしか買えない作品が、期間限定で通販サイトで販売され、人気を集めています。販売されている本は、文豪・志賀直哉来湯100年を機に2013年に立ち上げられた出版レーベルNPO法人「本と温泉」(兵庫県豊岡市)が手がけたもので、これまで4冊を刊行しています。温泉に入りながら読めるように撥水加工を施した紙に印刷され、タオルのカバーが付いた万城目学の「城崎裁判」、蟹の殻を思わせる特殊印のカバーから、蟹の身を抜くように取り出して読む湊かなえの「城崎へかえる」など、“地産地読”を掲げたユニークな本を出版している「本と温泉」プロジェクト。どれも当代屈指の人気作家が城崎に滞在して執筆し、城崎温泉の土産物店や旅館のみで販売されていました。コロナ禍による緊急事態宣言の影響で観光客が激減していることから、売上アップを図る町内の商店を支援するため、通販サイトで販売を行ったところ、著者のSNSによる拡散効果もあり、大人気となりました。城崎温泉の土産物店「みなとや」の通販サイトでは、販売を開始した2月4日からの1週間で100冊以上が売れ、お客様の半分くらいは合わせてお菓子など別の商品も購入しているようです。「この本をきっかけに城崎温泉のことを知っていただき、コロナ禍が収束した後には旅行先の選択肢として加えてもらえるとうれしい」と窪田社長は話しています。
(2月12日 ラジオ関西)

 

「塾に通えない子どもに無料学習塾」

「鹿児島つばめ学習塾」(鹿児島市)では、経済的な理由などで塾に通えない子どもに無料で勉強を教えています。3月末で開塾から2年が経過しました。運営するのはNPO法人「こども学習支援協会」(鹿児島市)で、同NPO法人代表が経営するソフトウエア開発会社のビルの3階会議室を、夜は教室として開放しています。月謝はもちろんテキスト類、入塾料も必要ありません。「裕福な家庭の子どもと、そうでない子の学力に差が出る。そんな流れを断ち切りたい」という想いから、東京で無料塾を運営する「八王子つばめ塾」の門をたたきノウハウを学びました。講師陣は小学校教諭を10年間務めた塾長を筆頭に、定年退職した元エンジニアら5人で、週3回の講義を交代で担当します。全員ボランティアで、光熱費など必要な経費はNPOが負担しています。塾には現在8人が通っています。中3の息子を通わせるシングルマザーの30代女性は「家計が厳しいので本当にありがたい。息子が大学生になったら教える側になってほしい」と期待をしています。
(2月15日 南日本新聞)


(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり)