NPO通信No.206「2月9日に肉と服をチェンジ?」 着なくなった服を持ち込めば、肉が買えます――。語呂合わせで「肉の日」となる2月9日に合わせ、こんな試みをする精肉店があります。この日に服を持ち込めば買い物に使える金券と交換する、異例の「服肉チェンジ」です。1978年創業で、京都、滋賀両府県に精肉店を展開する「お肉のスーパーやまむらや」が、2月9日は語呂合わせで「服の日」にもなることから、肉と服を掛け合わせ、SDGs(持続可能な開発目標)にもつながればと、この日だけの取り組みとして発案しました。店頭まで服を持ち込めば、1着につき290円の金券1枚と交換します。金券は同店での買い物3000円ごとに、1枚利用できる。服は、ミャンマーとベトナムでインフラ整備や環境保全活動などに取り組む認定NPO法人「BAJ」(東京)に譲渡されます。リサイクル業者に販売された収益は、同法人の活動資金に充てられるといいます。
「福島のアパートに無人の公共冷蔵庫」
ひとり親家庭や奨学金を受けている学生などを対象に、寄付された食料品や日用品を無料で受け取れる無人倉庫「お互いさま倉庫コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)ひまわり」が3日、福島市野田町6のアパート「ツインコートB棟」の1階にオープンしました。人目を気にせず利用でき、寄付する方も食品ロスの削減につながるのが特徴です。利用時間は午前10時〜午後4時で、5月末まで試験運用し、将来的には24時間運用を目指します。運営するNPO法人「チームふくしま」(福島市)によると、アパートを使った取り組みは日本で初めてです。1室には冷蔵庫と棚が置かれ、寄付された米やレトルト食品、卵、菓子などがあります。児童扶養手当や就学援助を受けている家庭、児童養護施設の卒業生などを対象にしています。毛布などもあり、非常時には防災倉庫や避難場所としても活用できます。登録者のみがスマートフォンを使って出入り口を開閉でき、監視カメラも設置して安全性を確保しました。食料品などの寄付は2通りあり、チームふくしま事務局に直接持ち込むか、ネット通販大手「アマゾン」の「ほしい物リスト」に登録された商品を選んで購入する方法があります。いずれも提供者の会員登録が必要になります。
「サウナブームを村おこしに」 コロナ禍などで若者を中心に注目度を増しているのがアウトドアサウナです。多摩川上流域の山梨県小菅村が新年度から、テントサウナを導入した新たな村おこしに取り組みます。人口減少にあえぐ村は、自然サウナのプロジェクトを展開する県とも連携、若者らに「源流の里」を売り込む起爆剤にしたい考えで、交流人口の増加を目指します。第3次サウナブームと言われる中で、テントから出て川の浅瀬や簡易プールで体の熱を冷ますサウナ効果でリフレッシュでき、自然を満喫できることからアウトドアサウナとして注目されています。4年前から首都圏の若者の愛好団体とサウナキャンプを共催するNPO法人「多摩源流こすげ」(山梨県)によると、コロナ禍を契機に単独や少人数の利用が増え、利用者はコロナ前の3倍以上に増加しました。昨年度からアウトドアサウナ事業を実施する自治体に助成している観光庁は地方への誘客や長期滞在を促す有効なツールとして期待しています。そこに目をつけた小菅村は、日帰り温泉施設「小菅の湯」に4人用の固定式テントサウナの導入を計画し、男湯の露天風呂わきに、火災の危険がなく利用者が使いやすい電気式サウナ1基を設置し、熱さましには施設内の冷水風呂を利用します。さらに、まきストーブの組み立て式テントサウナ(2〜3人用)を1月に1基購入しており、同じ型のサウナを2基所有する同NPOと連携、河川を管理する県とも協議しサウナイベントを予定しています。一方、県はコロナ後の有力な観光資源として普及させようと2021年6月、「アウトドアサウナの聖地」を目指し、「やまなし自然サウナととのいプロジェクト」を設立し、12月には備品購入費などの助成制度を設け、プロジェクトのパートナーに登録している小菅村も助成を申請しました。村は新年度予算案に整備費を盛り込み、固定式テントサウナやサウナイベントを夏の観光シーズン前に開始する考えです。 (NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |