NPO通信No.219「誤報8割でもOKの児童見守りシステム」
品川区にある小学校の通学路。友達と待ち合わせて笑顔で学校に向かう子どもたちの首から、白い物体がヒモでぶら下がっています。これは品川区在住の小学生へ入学時に配布されるキッズケータイです。子どもたちが「まもるっち」と呼ぶ小さな端末は、小学校卒業と同時に返却する必要がありますが、区内の公立小学校はもちろん、区外の国立・私立小学校等に通う児童も申請をすれば貸与されます。現在1万8000人ほどの児童が利用しています。ケータイ端末だけでなく、品川区が構築した「通報・管理・見守り」などのシステム全体を総称して「まもるっち」と呼びます。NPO法人の発案で現在のシステムの基となる仕組みが生まれたのが20年ほど前のことでした。児童見守りシステムの仕組みはこのようになっています。 「NPOが運営する家族留学」
「家族留学」という言葉を聞いたことはありますか? NPO法人「manma」(東京都)が運営している事業で、1日限定で子育て家庭の中に若者(大学生や新社会人)を迎え入れ、子育てライフを体験してもらうものです。若者は、親と交流し夫婦のパートナーシップを学んだり、実際に育児体験をしてみたりする中で、自らのライフキャリアの選択や悩み解消のヒントを得ることができます。「ワーク(仕事)」に関してはインターンシップや会社説明会など、働き方や仕事内容を知る機会が多々あるのに対し、「子育てライフ」については、体験したり、経験者の話を聞いたりできる機会がめったにありません。家族留学は、受け入れ家庭のためというより、「若者のためのプログラム」ですが、留学生を受け入れてみると、参加者の若者側だけではなく、「家族側」も得るものが大きいことがわかってきました。夫婦にとっては、留学生から質問を受けることで、家族のアイデンティティーや子育ての考え方を改めて見つめなおす機会にもなります。家族留学は、子どもも親も、周囲の人間も、みんなが笑顔になる幸せの循環を生み出す、優しい社会の入り口なのかもしれません。 「福島県いわき市でトルコ・シリア大地震被災者支援コンサート」
トルコ・シリア大地震被災者支援チャリティーコンサートは12日、福島県いわき市のアクアマリンふくしまで開かれました。福島市のNPO法人「チームふくしま」の協力です。県内での開催は初めてで、同NPOを応援しているシリア人ジャーナリストのナジーブ・エルカシュさん(東京都)が呼びかけ、東日本大震災当時の同館とのつながりから今回のコンサートが実現しました。シリアやアラブの伝統的な音楽やポップスを織り交ぜながら演奏し、会場に集まった来館者が演奏に聴き入りました。被災者支援の募金箱も設置されました。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |