NPO通信No.220

【NPO法人関連ニュースから:4月号】


「商店街の空き店舗を再生」

  長野県塩尻市の大門商店街にある旧ハリカ塩尻店の空き店舗を、地域づくりの人材育成を図る滞在型交流拠点「en.to(えんと)」に再生させる計画が進んでいます。大門三番町の旧店舗建物は、昭和7(1932)年ころからの木造2階建て延べ約580平方メートルです。県道塩尻停車場線に面した建物北側部分は1階を交流スペース、2階を短・中期で宿泊できるゲストハウスに、南側建屋は短・中期でお試し居住が可能なシェアハウス(10室)となります。中間の建屋を部分解体し減築し、2施設を各200平方メートルずつ確保します。シェアハウスは今秋に居住可能にし、ゲストハウスは令和7年には完成させる計画です。市内でマッチングやキャリア支援をするNPO法人「MEGURU(めぐる)」が所有者から無償譲渡を受け、大部分の土地・建物は定期借地契約を結びました。施設と同名の合同会社en.toがMEGURUから運営を受託します。地域おこし協力隊員の配置で行政の協力も得られる見通しで、老朽化した旧店舗は令和3年11月〜5年1月に10回、延べ約120人の市民有志らによる片付け作業が行われました。解体ではなく、商店街を象徴する歴史を重ねた大きな建物を「再生できないか」と検討してきました。塩尻駅近くの宿泊施設不足や、若者が集い地域と関わる場所がない課題を解決し、第三セクター・街元気カンパニーとも連携し中心市街地活性化につなげる狙いです。
(4月12日 市民タイムス)


「ドイツの旅職人、日本伝統の家造りに取組む」

  若手職人が世界を旅しながら修業するドイツの伝統的制度「ヴァルツ(旅職人)」で来日したドイツ人男性2人が、長崎県諫早市の石橋工務店で日本伝統の家造りに挑み、腕を磨いています。2人はカイザースラウテルン出身のルーカス・シュトラッサーさん(28)と、フレンスブルク出身のヨルゲ・プリースさん(21)です。中世から続く旅職人制度は2015年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録。受け入れは、同社が加盟するNPO法人「環境共棲住宅 地球の会」(大阪)の交流事業の一環です。3年前に続き2例目で、2人はドイツで修業した後、シュトラッサーさんはスイスやナミビアなど、プリースさんはオーストリアやブラジルなどを経て、3月中旬に来日。4月中旬まで同社で働きます。 旅職人には「3年間と1日、実家から半径50キロ以内に入ってはいけない」「黒いベストや帽子など、ひと目で職人と分かる服装」「パソコンや携帯電話などは持つことができない」などの厳しいルールがあります。日本の職人が使う道具や木工作品などを見て、日本に興味を持ったという2人は、現在、翻訳機を駆使し、同社の若手職人と切磋琢磨しながら日本式の住宅建築に取り組んでいます。
(4月9日 長崎新聞社)


「傷ついたヤンバルクイナのリハビリセンター」

  交通事故などで傷ついたヤンバルクイナを森に返すためのリハビリセンターが4月4日、沖縄県国頭村の安田くいなふれあい公園敷地内で開所しました。負傷した3羽を収容でき、水浴びや木に登る能力の回復など、自然に戻るためのならしができます。NPO法人の「やんばる・地域活性サポートセンター」「どうぶつたちの病院沖縄」がクラウドファンディングで1007人から1356万円を集め、創設しました。従来、ヤンバルクイナが事故などで負傷した場合、環境省が運営する繁殖施設などを間借りしてリハビリをしており、専用の施設が求められていました。ヤンバルクイナ・リハビリセンターはNPO法人「どうぶつたちの病院沖縄」が人員を出すほか、薬などの医療費を負担します。やんばる・地域活性サポートセンターが水道や光熱費などを持ち、共同運営します。この日はけがをしたヤンバルクイナではなく、元気な雌の個体を部屋に放しました。しばらくはその個体を観察し、登り木の角度や水浴び場の配置が適切かどうかを判断します。
(4月6日 沖縄タイムス)

 


(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり)