NPO通信No.222「小学校で朝食を」
大阪府泉佐野市の二つの市立小学校で、授業前の児童に週2回朝食を無償提供する取り組みが進んでいます。市が2月から実証事業として始めたところ好評で、1日当たり60〜80人が利用しており、6月末まで延長することになりました。市は9月から2校を加え、4校に拡充する予定です。子どもたちの生活リズムの改善や居場所づくりへの期待もあり、市は「事業を継続していきたい」としています。見守り活動に参加する住民から「朝食を食べず元気のない子がいる」などと支援を求める声が上がり、市が導入を検討。今年2月から火、金曜に朝食の提供を始めました。当初は、経済的支援の要素が強かったが、コロナ禍で「個食」や「黙食」を余儀なくされた子どもたちが、会話をしながら朝食を楽しむ場になっていったといいます。市は運営をNPO法人に委託。長坂小で運営する同市鶴原のNPO法人「キリンこども応援団」は、フードバンクから食材提供を受け、開設日は午前6時から家庭科室で調理しています。同小では、高学年と低学年が入り交じって座り「次はカレーがいいなあ」などと話し合ったり、下級生のコップに上級生が茶を注いであげたりと、にぎやかな雰囲気が漂っているといいます。朝を楽しく過ごす習慣が身につき、子どもたちが大人になった時、家族で楽しく朝食を食べることにつながれば、と期待しています。
「SNSの犯罪から子供を守る
スマートフォンやタブレット端末が普及した現代。松山市内の小学校で13日、子供たちがSNSを巡る犯罪に巻き込まれないよう、防犯教室が開かれました。この防犯教室は、NPO法人「日本ガーディアン・エンジェルス松山支部」が潮見小学校の6年生約110人を対象に開きました。児童たちは実際にタブレット端末を操作します。届いたURLをクリックすると、コンピューターウイルスに感染し個人情報が盗まれてしまうケースを体験し、知らない人からのURLは絶対に開かないよう指導を受けました。最近は偽サイトのURLが送りつけられることが多いということです。またネット上に顔写真や電話番号などの個人情報を公開しないことなど、SNSを通じた犯罪に巻き込まれないためのポイントを教わりました。日本ガーディアン・エンジェルス松山支部は「顔が見えないネット上では人と繋がっている感覚がなくなりがち。投稿する際は想像力を働かせてほしい」と呼びかけています。
「海洋ごみの多さにびっくり」
6月が環境省提唱の「環境月間」であることにちなみ、大阪市港区の水族館「海遊館」が、大阪湾にそそぐ安治川河口域で海洋ごみについて学んでもらうイベントを開きました。親子連れら約15人が参加しました。海遊館と淀川河口で清掃活動を行うNPO法人「大阪海さくら」と国連環境計画国際環境技術センターによる共催です。海洋ごみの問題は近年深刻さを増し、ジンベエザメがくしを飲み込んで死んだり、アオウミガメが海藻などと間違えて飲み込んだレジ袋やプラスチックごみを1カ月以上、排泄(はいせつ)し続けたりしたケースが報告されているといいます。安治川河口にはペットボトルのほか、空き缶や衣類、靴などが漂着しており、海遊館職員が約30分で45リットルのごみ袋33枚分のごみを回収しました。11日のイベントに参加した子供らがペットボトルのみをブルーシートに並べたところ、800本にもなりました。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |