NPO通信No.225「60年前の中学校を写したフィルムの上映会」
約60年前、1960年代の宮城県石巻市の中学生の日常を映した貴重な8ミリフィルムが見つかりました。かつての姿を懐かしく振り返ってもらおうと、10月に上映会が開かれます。見つかった8ミリフィルムは今から約60年前、1961年から1962年にかけて撮影されたとみられ、石巻市の旧大須中学校の生徒や教員の様子が記録されています。フィルムは、当時この学校の教員だった男性の遺品から見つかり、家族を通じてNPO法人「20世紀アーカイブ仙台」に寄付されました。2017年に閉校となった大須中学校、映像の生徒たちは現在77歳位とみられます。20世紀アーカイブ理事長は「ここに映っている生徒さんたちに、これは見せなきゃいけないなと思いましたね。自分の中学時代の姿が映像で残っているというのは夢にも思っていないだろうと。これを見せたらきっと感激するだろうなと」語りました。 「JAXA関連のNPO法人が宇宙の出前授業」
JAXA関連団体の宇宙の専門家が、兵庫県加東市の小学校を訪れ、「宇宙食」などをテーマに理科の授業を行いました。加東市立米田小学校を訪れたのは、JAXAの関連団体のNPO法人「宇宙アドバイザー協会」の大川拓也さんです。5,6年生の合同授業で、月と地球の関係を中心に太陽系の天体について分かりやすく解説しました。また、全校児童39人が参加した授業では、宇宙食をテーマに宇宙飛行士・若田光一さんのビデオを使って説明し、児童代表が宇宙食の試食にチャレンジしていました。この取り組みは、児童・生徒が専門家から指導を受けて、夢に向かう力を育成してもらおうと、加東市が今年度から導入した「かとう夢授業」の一環です。 「日本で暮らすベトナム人実習生の駆け込み寺」
日本にいる技能実習生の数は32万人超(令和5年、法務省「外国人技能実習制度について」から)。農業や漁業、建設、食品製造、介護などさまざまな分野で働きながら技能を学ぶ技能実習生。しかし受け入れ体制が十分でなく、安価な労働力として扱われ、窮地に追いやられる若者がいることをご存知でしょうか。「日本で暮らすベトナム人の駆け込み寺」として、ベトナム人技能実習生や留学生を支援する団体があります。人材育成を通じた開発途上地域等へ技能、技術又は知識の移転により国際協力を推進することを目的に作られた技能実習制度。技能実習生は来日後、受け入れ先の企業で3年ないし5年、専門の技術を学びますが、日本で年間、1万人もの技能実習生が「失踪」しているのです。この制度の本来の目的は、技能や技術の移転であるもですがそれが正しく理解されず、企業側が『安価な労働力』として実習生を受け入れ、使い捨てるような事例が横行しています。受け入れ企業のうち、7割ほどはきちんとされていると感じますが、問題は残りの3割で、パワハラや暴力、いじめ、給料未払いや長時間労働などが起きています。彼らが日本で再出発できるよう支援を行うNPO法人「日越ともいき支援会」では、これまでにのべ3万人のベトナム人の若者を支援してきました。若者の不審死は少なくありません。ある朝突然亡くなっていたとか、暴行の痕があって、トラブルに巻き込まれた可能性が否定できないケースもあります。首を吊って自死していたケースもあります。不法就労や不法滞在している若者が、悪いコミュニティとつながり、犯罪に巻き込まれるケースは少なくありません。「支援する日本人がいるよ」ということを、まず当事者であるベトナム人の若者に知ってもらいたいと、ベトナム人コミュニティやSNSを活用して広く発信することに、活動を始めた当初から力を入れてきました。電話をかけるSIMカードを持っていないし、言葉が伝わらなかったりする。私たちは、彼らにとっての駆け込み寺、110番のような存在になりたいと思っています。とはいえ、何か起きてからでは遅い。『困った時にすぐに、いつでも相談してね』という発信を続けています。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |