NPO通信No.226「外国ルーツの子どもたちを支援する」
10月13日、丸亀市通町の商店街に新たな教室が開設されました。対象は小中学生を中心とした外国にルーツを持つ子どもたちです。この教室では、日本語や教科の指導だけではなく、進学や就職の相談にも応じたいとしています。教室の名前は「オアシスこくさい教室」。NPO法人「子どもたちの未来を応援するオアシス丸亀」が、香川県の委託を受けて丸亀市の商店街の一室に開設します。人口減少が続く香川県ですが、外国人は増加傾向で、2022年12月時点では約1万5000人でした。丸亀市教育委員会によりますと、日系ペルー人を中心に造船会社で働く外国人が増えたため、2008年ごろから丸亀市の小中学校でも外国にルーツを持つ子どもが増えました。丸亀市に住む外国にルーツを持つ子どもの親は、日本語を読んだり書いたりすることが難しい人も多く、自宅では母国語で会話することがほとんどです。城乾小学校に勤務していた池内道子さんが2011年に、外国ルーツの子どもたちを指導する「こくさい教室」を立ち上げました。池内さんは中学校に勤めて1年目と2年目は高校への進学率は50%以下でした。3年目になって、94%ほどで、やっと3年目に実を結んで、今は90%前後で落ち着いて、進学は大体できています。進学率が上がった今は、将来を見据えた進路を選択ができるように支援することが重要になっています。 「京都の料理人たちが福島の食材を応援」
福島県産の食材を応援しようと京都の料理人たちが新たな取り組みを始めます。京都の料理人を中心とするNPO法人「日本料理アカデミー」は20日、福島第一原発の処理水の海洋放出による食材の風評被害を払拭するための活動を始めると発表しました。地元の料理人とともに全国各地で福島県産の食材を活かした料理をふるまうイベントなどを計画しています。背景には新型コロナで苦境に立たされた飲食店として恩返しをしたいという思いがあります。京都府もこの取り組みに賛同し、国の支援を得られるよう調整を進める方針です。 「NPO法人の農村研修が人気」
鹿児島県南大隅町の住民や移住者らでつくるNPO法人「風と土の学び舎(や)」の農村研修が人気です。農畜産業や林業など多様な受け入れ先があり、数週間から数カ月にわたって田舎体験ができます。昼間の仕事だけではなく、住民との交流会も楽しめ、「地域のありのままを感じることができた」と好評で、今年からは国や県から若手職員の研修の場ともなっています。農林水産省は、地域とのつながりを持ち農家の視点を踏まえた政策の企画・立案ができる人材を育てようと、今回初めて3人の職員を派遣し、県からも一緒に2人が参加しました。NPOの会員は約40人。法人の名前には、町外から来て新たな風を吹かせる「風」の人、地域に根を張る「土」の人が、共に学び合い、町の「風土」をつくるとの思いが込められています。今年からは、学生や社会人らに1カ月以上町に滞在してもらう「すみっこ留学」を開始しました。3期で3人が全日程を終え、仕事や大学での研究生活に生かしています。NPOは、受け入れる側、受け入れられる側双方に学びがある姿を目指しています。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |