NPO通信No.228「書き損じや余った年賀状がワクチンに」
ワクチン接種が普及した日本では、ポリオ、はしか、結核などの感染症で亡くなる子どもは少なくなったが、世界ではいまだ1日約4000人が、5歳を迎える前に命を落としています。幼い命を守るワクチンは、1人分約20円からと、とても安価です。例えば、はがき10枚でポリオワクチン約29人分を、使用済み切手1kgでBCG(結核)ワクチン約60人分を、途上国の子どもたちに贈ることができます。認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(以下JCV)は年賀状シーズンのこの時期、書き損じや印刷ミスで送れなくなったり余ったりした年賀状や、未使用・使用済み切手のJCVへの送付を呼び掛けています。回収の対象となるのは、書き損じ・未使用の年賀状(はがき)・使用済み・未使用切手。額面が古いものや往復はがき、記念切手なども回収します。年賀状はどんなプロセスでワクチンに換わるでしょう。JCVに送られた年賀状を郵便局で切手シートに交換。63円の年賀状の場合、交換手数料5円を除いた58円が寄付となります。交換された切手は、JCVから発送するパンフレットなどの資料、受領書、礼状などの送料として使用します。そして、通信運搬費を節約できた分を、ワクチン支援に活用します。 「留学生が店に立つコーヒースタンド」
愛媛県松山市中心部に7月末、コーヒースタンド「たずねけりコーヒー」がオープンしました。広さは10平方メートル余りですが、温かみのある雰囲気で街角のオアシスになりつつあります。そんな店内で香り豊かなコーヒーを入れるのは外国人留学生のスタッフです。一体なぜ、留学生が働いているのでしょうか。留学生は、出入国在留管理庁で「資格外活動許可」を得れば、週28時間以内に限り就労できます。週1、2回アルバイトで働くメキシコ出身のサンチェスさんは、家賃や食費には奨学金を充てているものの、洋服代などまではカバーできないためアルバイトを始めることに。そこで思わぬ壁に直面しました。留学生は大学の授業を英語で受けていることが多いため、日本語のレベルは個人差が大きく、日本語のスキルがあまり必要とされない体力を使う仕事などは求人もありますが、学業との両立が難しくなります。サンチェスさんが頭を悩ませていた時、たずねけりコーヒーに出合いました。運営するのは、NPO法人「松山さかのうえ日本語学校」(松山市)です。外国人が地域の子どもたちに母国の料理を振る舞う、国際子ども食堂事業などを展開しています。愛媛で暮らす外国人は増加傾向にあるものの、多くの人は普段の生活で外国人に出会ったり、親しくなったりするきっかけがあまりないかもしれないが、こうした事情を踏まえ、両者につながりが生まれれば偏見や見えない壁がなくなり、相互理解がおのずと進んでいくのではと考えています。 「静岡の子ども病院にディズニーのキャラクター」
病気と闘う子どもたちの励みにとウォルト・ディズニー・ジャパンが静岡県立こども病院(静岡市葵区)の待合エリアや処置室にディズニーキャラクターなどが生き生きと描かれた特別仕様の壁紙を贈り、12月18日のセレモニーで公開されました。 ディズニーが世界中の750以上のこども病院などで行っている活動で、国内では神奈川県立こども医療センターと東京都の国立成育医療研究センターに続く3施設目となります。NPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」が仲介し、1年がかりで準備してきたといいます。待合エリアでは、正面の壁でミッキーマウス、ミニーマウス、ドナルドダックなど人気者が出迎え、続く廊下の長い壁には「リトル・マーメイド」「カーズ」「スター・ウォーズ」などの世界が色鮮やかに広がり、入院病棟が中心の北館ではエレベーターの扉に「アナと雪の女王」や「モアナと伝説の海」のキャラクターが描かれました。壁紙は専用アプリと連動し、スマートフォンのカメラを向けると音楽とともにアプリ内でキャラクターが動き出す仕組みになっています。診察を待つ子どもはいつもと違う院内の光景にびっくりしながらも、興味深そうにカメラを壁紙にかざしていました。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |