NPO通信No.235高校生が町工場の経営改善案を提案
2024年6月27日、神奈川県立綾瀬高等学校の生徒たちは、横浜市に本社を構える株式会社スリーハイに向けて経営改善アイデアを提案するプレゼンテーションを行いました。同校では、NPO法人「SoELa」(神奈川県)の協力のもと、総合的な探究の時間に起業家精神を育む授業を実施してきました。しかし、解決策を考えても実際に提案できないことや経営やマーケティングの実務・知識が乏しいことで、教員が助言をするのが難しいという課題があったといいます。そこで、2023年11月からは工業用ヒーターの製造を手がけるスリーハイと協業し、生徒たちは実際の経営課題に対する解決策を検討しました。生徒は「株式会社スリーハイ綾瀬高校支店」を立ち上げたと仮定し、5つの部署に分かれて経営改善のアイデアを考案しました。スリーハイの代表取締役は、毎回の授業に参加して生徒たちからの質問に直接答えるなどのサポートを行い、NPO法人「SoELa」によるマーケティングやプレゼンテーションの講義も行われ、生徒たちは提案をプレゼンテーションにまとめるプロセスを学びました。最終プレゼンテーションを経て、生徒の投票で選ばれた9グループがスリーハイの代表取締役と社員たちに向けて発表が行われました。審査の結果、テイクアウトした商品を熱々のまま家まで運べる、ヒーター付きエコバックのほか、3択式クイズ大会による昼礼、企業のオリジナルキャラや社員インタビューを掲載する営業冊子などの経営改善アイデアなどが受賞しました。今後、スリーハイでは生徒たちが提案したすべてのアイデアを精査し、実現可能性の高いものを検討する予定です。
モザンビークのパラ選手を愛媛県の小学生たちが助ける
東京パラリンピックがつないだ縁です。視覚障害があり失明の危機だったモザンビークの元陸上代表選手を助けようと、愛媛県松山市の生徒らが手術代を募金活動で集めて寄付しました。モザンビークのパラリンピック陸上代表選手イラーリオ・シャベラさんは、2021年の東京パラリンピックの際、事前・事後合宿で愛媛県松山市に滞在し、市内の小学生らと交流を深めていました。大会後、イラーリオさんは白内障により失明の危機となりましたが、交流があった新玉小学校の生徒らがNPO団体「Bridge of friendship」を立ち上げて、手術代を集める募金活動を開始します。約26万円を集めてイラーリオさんに寄付し手術したところ、視力が回復したということです。現在、モザンビークで小学校の体育教師をしているイラーリオさん。今回が手術後初めての来県で、今月16日から市内6つの小学校や盲学校を訪問して、スポーツなどを通して交流を行いました。
バリ島のビーチクリーンに取組むNPO法人
日本のNPO法人「海さくら」とバリ島の地元ごみボランティア団体がコラボし、日本では「海の日」に当たる7月14日、ビーチクリーンイベント「ブルーサンタ」を行いました。ブルーサンタは江ノ島でビーチクリーンを行うNPO法人「海さくら」と、海洋問題や社会課題に取り組む日本財団が中心となり、「海と日本PROJECT」の一環で行うごみ拾いイベントです。2016年に江ノ島で始まり、青いサンタクロースのTシャツとサンタ帽がトレードマークで、今年は6月15日〜7月31日、北海道から沖縄まで日本全国368カ所で開催します(予定含む)。昨年から海外7カ国でも実施されています。当日早朝6時30分、バリ島のデンパサール、ビアウンビーチにはブルーサンタのTシャツと帽子をかぶった2つの地元ごみボランティア団体(クリーンアップバリとブミキタ)が集まり、合同ビーチクリーンを行いました。バリ島では前日が女神サラスワティを祭る祭日で、ビーチクリーンが行われた翌日曜は「バニュピナロ」という祭日に当たります。この日は海や川で身を清め祈ることで女神サラスワティの加護があるとされることから、ボランティア団体ブミキタのメンバーは早朝に訪れて祈りを捧げていました。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |