NPO通信No.238NPO法人が公共ライドシェアに協力
JR東日本などは11月1日から「公共ライドシェア」の実証実験を長野県野沢温泉村で始めます。全国有数のリゾート地として知られる野沢温泉村でもタクシー不足が社会問題化しており、地元観光団体などと共同で、観光客や地域住民の足としての活用を検証します。「公共ライドシェア」は、市町村やNPO法人が運行主体となり、一般ドライバーが自家用車などを使って有償で客を運びます。4月から東京や京都などの一部地域で始まった「日本版ライドシェア」とともに、移動手段が乏しい「交通空白地帯」の解消に向けて政府が普及を進めています。野沢温泉村での実証実験は、村内の温泉街を対象に実施します。運行時間は毎日午前8時〜午後6時を基本とし、午後6〜11時の運行も、観光などのニーズを踏まえて実証実験の期間中に検討します。ライドシェアのドライバーとして10人程度を採用し、軽自動車3台を走らせる計画です。予約には配車アプリを使いますが、アプリに不慣れな高齢者が多いことを想定し、電話でも受け付けます(その場合はオペレーターが利用者に代わってアプリを操作します)。アプリで現在地と目的地を入力してドライバーとマッチングし、事前に確定させたタクシーと同額の料金を、到着後にSuicaなどの交通系ICカード(PiTaPaを除く)で支払う仕組みです。運転を担う一般ドライバーが混乱しないよう、今回の実証実験では決済手段を交通系ICカードに限定します。野沢温泉村では、温泉やスキーを楽しむ訪日外国人客らが増えてにぎわう一方、地域住民がタクシーを利用しにくくなるなど生活に支障が出ているといいます。実証実験は2025年1月末までです。ドライバーと利用客へのアンケートなどを通じ、移動ニーズや運営方法、現金やクレジットカードによる決済の希望の有無などを検証します。
休耕田を活用して栽培したソバを収穫
和歌山県田辺市龍神村で地域活性化に取り組んでいるNPO法人「ええとこねっと龍神村」は、休耕田を活用して栽培しているソバを収穫しました。NPOでは、地域で増えている休耕田を利用して、特産品作りや観光振興につなげようとソバの栽培に取り組んでいます。今年は龍神村内の殿原や甲斐ノ川、安井、福井にある休耕田計約2ヘクタールで栽培しました。収穫作業は、NPOのメンバーや協力する地元住民が参加し、大型農機を使って刈り取りました。一方で、イノシシやシカによって踏み倒されている箇所も目立っていたため、メンバーらが畑に入り、手作業でソバを起こしながら刈り取りました。収穫後は石などを取り除いて乾燥させ、県外の業者で製粉してそば粉にします。「日本三美人の湯」にちなんで、島根県出雲地域のそば粉、群馬県の小麦粉と合わせて「龍神そば」として商品にし地元で販売します。龍神村甲斐ノ川にある飲食店「そばと農園 和わく」でも提供されます。
不登校生向け、ドローンを飛ばすパソコン教室
生きづらさを抱える若者の自立を支援するNPO法人「ハートツリー」(和歌山県田辺)は、不登校の小中学生を対象にパソコン教室を始めました。プログラミングを学んでドローンを飛ばします。パソコン教室は不登校生が参加しやすく、将来の仕事にも役立つと企画しました。機材や運営費用は、田辺はまゆうロータリークラブから支援を受けました。講師は紀南を拠点にするクリエイター集団「TETAU(テタウ)」が務めます。本年度は試行期間で、来年度からの本格開催を目指します。教室には小学生3人、中学生2人が参加します。これまでみんなと同じことができることが価値でしたが、ICT(情報通信技術)の発達で、みんなと違うことに価値が出ます。大学進学も就職も学力以外のあなたが問われます。自分の得意が大事であると説明しました。教室では重さ200グラム以下の小型ドローンを使用。プログラミングは学校や民間のスクールで広く導入されている子ども向けのプログラミング言語「スクラッチ」を使用すします。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |