NPO通信No.239

【NPO法人関連ニュースから:11月号】


放課後児童クラブが大学と連携

特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」は、滋賀県の協働事業「こどなBASE」において、滋賀大学と連携して「はかる」をテーマにしたワークショップを11月14日(木)に開催します。この取り組みは、計量・包装機器メーカーの株式会社イシダも協力する産官学民連携のプロジェクトとなります。同ワークショップは、居場所の空気感や子供たちの気持ちなど、目に見えないものを可視化する「はかる」がテーマです。「測る」「計る」「量る」の視点から、滋賀大学の学生と彦根市内の放課後児童クラブに通う小学生が対話を通じて探究を進める予定です。「はかる」技術は、AIやICT技術の発展によって、ビッグデータ活用、分析手法の発達、客観性を担保するための数量・定量化など、さまざまな場面で活用されています。今回のプロジェクトでは、社会からのニーズが高まる理系的素養の1つを「問いを立てる能力」であると設定し、子供たちの「こうしたい」「こうなるといいな」という潜在的なニーズや願いを可視化します。こどなBASEは、自治体や団体、教育・福祉機関と連携して子供と地元企業をつなぎ、滋賀県の持続可能な社会づくりを目指しています。
(11月12日 こどもとIT)


光害を防止して星空を保護

国内外で「星空保護区」という取り組みが進んでいます。NPO「ダークスカイ・インターナショナル」(本部・アメリカ)が、光害の影響のない、暗く美しい夜空が保たれた場所を認定する制度です。その一つ、岡山県西部の井原(いばら)市美星(びせい)町。日が暮れると、優しいオレンジ色の街灯がともる。夜空を見上げれば満天の星に、うっすらと流れる天の川。町の高台にある「星空公園」に天文ファンが集まってきます。1954年に四つの村が合併して、町を流れる美山川と星田川から、美星町と名付けられた町は1989年、他の自治体に先駆けて「光害防止条例」を制定しました。夜10時以降は屋外照明の消灯を促すといった取り組みを始め、1993年には美星天文台が開館します。2005年に井原市と合併後も、条例は町の区域で適用されています。ただ、条例制定から30年がたったころ、上空への光漏れが指摘され始めました。そんななか、市は星空保護区の認定を目指して活動を始めましたが、認定には、まぶしすぎない電球色の照明に替え、光漏れもなくすことが必須でした。そこで、市はパナソニック(本社・大阪府)に相談しました。パナソニックは、グラウンドや建物の照明で、光を当てる対象物以外を照らしてしまう光漏れを抑える光害対策用の製品を展開してきました。ですが、上空への光を抑える照明ではなかったため、開発を開始します。黒い遮光板を付けて上空への光漏れが0%になる照明をつくりました。町内の防犯灯や道路灯など計740基が、この照明に交換されました。今では、星空観光ツアーを商品化して星空ガイドを養成し、小中学校での教育にも力をいれています。世界では、200カ所以上が保護区に認定され、日本でもほかに沖縄県の西表石垣国立公園、東京都の神津島、福井県大野市南六呂師が認定されました。さらに、沖縄県国頭村や群馬県高山村などが認定を目指します。
(11月12日 朝日新聞社)


ワインコルクの回収に取組む企業とNPO法人

結婚式場などを運営するアニヴェルセル(横浜市)が、コルクの回収を進めています。結婚式などのイベントでは大量のワインが消費され、コルクは大量に廃棄されています。同社が回収したコルクは、NPOと連携して、さまざまな企業のノベルティなどにアップサイクルします。アニヴェルセルは、横浜市内の店舗の入り口などにコルクの回収BOXを設置し、年間2万5千個のコルク回収を見込みます。結婚式で使用したコルクの回収率はほぼ100%になるといいます。回収した廃棄コルクは、NPO法人「RE機構」(東京・墨田)に送ります。2004年に発足した同機構は、長らく廃棄コルクの回収とリサイクルに取り組んできました。リサイクルの過程では、障がいのある人たちが洗浄などの作業を担います。これまで帝国ホテルやグランドハイアット東京、阪神タイガースなどが、コルクを再利用したノベルティやグッズを展開してきました。コルクはスマホスタンドなどの雑貨をはじめ、コースターやワインラック、ヨガマットなど、アイデア次第で多彩に生まれ変わることができるといいます。
(11月9日 alterna)

 


(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり)