NPO通信No.243

【NPO法人関連ニュースから:3月号】


応援給付型の奨学金プログラムがスタート

ひとり親家庭や地方在住、外国籍に由来する家庭環境など、進学に不利とされる環境下にある子どもたちを対象に、給付型の奨学金プログラムがスタートしました。COACH、kate spade new yorkブランド製品の日本における輸入・販売を展開する「タペストリー・ジャパン」 (東京)と、社会に10代の居場所と出番をつくる活動に取り組む、認定NPO法人「カタリバ」(東京都)がコラボレーションしました。2024年10月からスタートした当プロジェクトでは、24人が受験支援のための奨学金を受け取りました。今回新たに2025年4月から、8人が大学1年目の学費支援を受けることが決まりました。コーチのグローバルの社会貢献活動を担う組織であるコーチ財団(ニューヨーク)は、2008年の設立後、世界中の非営利パートナーと連携し、若者のための支援を行ってきました。これまでに、世界の非営利団体に6500万ドル以上を寄付し、2025年までに次世代への奨学金5000人分を提供するコミットメントを掲げています。今回、日本で立ち上げた大学を控える高校3年生向けの奨学金プログラムは、ここ5年ほどで、世界中さまざまな国で展開してきましたが、日本での実施は初めてです。日本での展開に向けてパートナーとなったのがコーチの日本での活動パートナーとして5年目を迎えたカタリバです。プログラム第1期として、まずは、2025年春に高校卒業後の進学を目指す高校3年生24人を対象に、受験までに関わる支援をスタートします。その後、受験を終え進学が決まった生徒に対して、1年目の授業料(最長4年まで延長継続)を支援します。進学後の生活のみならず、全国に展開するコーチのストアでの就労経験やオフィスでのインターンシップなども見据えた支援を計画しています。
(3月24日 OVO)


児童養護施設などの子どもたちにスノーボード体験

ジェイク・バートン(Jake Burton)が1977年に創業したバートン(BURTON)は、北京冬季五輪金メダリストの平野歩夢選手とも契約するスノーボードの大手メーカーであり、スノーボードを世に広めてきたオリジネイターです。同社は2019年にいち早くBコープ認証を取得するなど、気候変動や持続可能な成長といった社会課題に対する意識の高さでも知られますが、より良い社会を目指し、チル(CHILL)という活動を通じて子どもたちの支援にも力を入れています。児童養護施設などの子どもたちにスノーボードをはじめとしたスポーツの機会を提供し、社会とつながるきっかけを提供するというものです。米国でも日本でも、チルは独立したNPO法人です。財源の30%はバートンから、残りは個人や企業の寄付によって成り立っています。寄付はお金だけでなく、例えば北米ならベイルスキーリゾート、日本なら富士見パノラマリゾートなどは、リフト券やゲレンデでの食事の提供といった形でもサポートしてくれています。日本では、1995年に起こった阪神淡路大震災で被災した子どもたちを2001年に兵庫の六甲山のスキー場に招待して、スノーボードを楽しんでもらったのが始まりでした。NPO法人としてチル ジャパンができたのは2003年、これまでに活動に招待してきた子どもたちは2000〜3000人です。もともとは阪神淡路大震災や東日本大震災などで被災した子どもたちにスポーツの機会を提供していましたが、いま特に力を入れているのは、児童養護施設やフリースクールに通う子どもたちを招待することです。児童養護施設は全国に600前後あって、約3万人の子どもが親から離れて暮らしています。チルの活動は9カ国24都市に広がっています。
(3月24日 WWD)


プロアスリートが小学校で夢の授業

アスリートが小学生に夢の実現に向けて努力することの大切さを伝える「夢の教室」が3月6日、相模原市立谷口小学校で開かれました。主催はNPO法人「ユメイク.」です。日本サッカー協会の社会貢献事業「JFAこころのプロジェクト」の一環で、相模原市内で「夢の教室」を開くため、相模原市ホームタウンチームなどに所属する飯島沙織さん、成昴徳さん、小宮山友祐さんが個人的に集まってNPOを立ち上げました。これまでに平田ひかりさん(ノジマステラ神奈川相模原)、中井健人さん(三菱重工相模原ダイナボアーズ)、財津弘彬さん(ノジマ相模原ライズ)などが「夢先生」として登壇しています。本年度最後となる39回目の授業には、ダイナボアーズの福山竜斗さんが登壇。プロラグビー選手になるという夢をかなえるまでの浮き沈みを「夢曲線」として描き、今を全力で生きることや考えて努力することの大切さを自身の経験を交えて話しました。
(3月13日 みんなの経済新聞)

 


(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり)