NPO通信No.246

【NPO法人関連ニュースから:6月号】


金木斜陽館で太宰かるた大会

作家太宰治をしのぶ「桜桃忌(おうとうき)」の6月19日、出身地の青森県五所川原市金木町では、市教育委員会主催による「太宰文学朗読会・太宰歌留多(かるた)大会」が開かれました。地元の児童や市内外のファンらが太宰の生家である斜陽館を訪れ、生誕から116年となった文豪に思いをはせました。市教委は2022年まで金木町の芦野公園で生誕祭や顕彰事業を行っていましたが、23年から太宰の生家である斜陽館に会場を移しました。この日は、金木小学校5年生約30人や一般の来場者合わせて約100人がイベントに参加しました。児童は3グループに分かれ、地元のNPO法人「かなぎ元気倶楽部」が作った太宰歌留多に挑戦。「津軽」などの一節が読み上げられ、かるたを取り合いました。
(6月19日 東奥日報)


震災遺構をどう捉え、伝え継ぐか

東日本大震災で被災した建造物で、保存されたり保存が検討されたりした「震災遺構」に関する二つの催しが6月中旬、岩手県沿岸部でありました。震災から14年が経過し、当時を知らない世代も増えるなか、その重要性は増しています。催しの参加者たちは、遺構の存在意義についてさまざまな見解を示しました。宮古市田老(たろう)地区では6月15日、大震災の津波で壊れた防潮堤周辺の草刈りがありました。防潮堤は「万里の長城」と呼ばれた大型堤防でしたが、震災後それより高い堤防が整備され、遺構の意味合いを強めています。田老は震災前にも明治、昭和の三陸地震などで度々津波に遭いました。防潮堤は1933年の昭和三陸地震の翌年から45年かけて築造され、高さ10メートル、長さ2400メートル。中国の巨大城壁に例えられましたが、震災の津波は大きく超える高さ16メートルで、防潮堤も海に近い部分を中心に損壊しました。草刈りは田老で震災伝承に取り組むNPO法人「津波太郎」が初めて企画。地元で「X」と呼ばれる、防潮堤が交差する地点付近で実施しました。この場所は例年春から夏にかけて雑草が生い茂り、壊された部分が見えづらく、明治三陸地震が起きた6月15日に草刈りをすることで、1896年の発生から130年近く経過した津波災害を振り返る機会にもしました。
(6月19日 毎日新聞)


岐阜市でママ目線の住宅相談窓口

岐阜市内で住宅の購入を検討する子育て世代と住宅メーカーをマッチングする相談サービスを子育て支援を行うNPO法人がスタートします。サービスを提供するのは、NPO法人「こどもトリニティネット」で、子育てサロンの運営や母親目線での防災イベントの企画のほか岐阜市に子育て施策の提言なども行っています。「ママのためのおうちの相談窓口」と題したこのサービスでは、こどもトリニティネットが自治会・子ども会の活動内容や頻度、ゴミ出しのルールなど独自の視点で収集した「自治会ビッグデータ」を活用。サービスの利用者の希望に沿った地域や住宅メーカーを提案します。 こどもトリニティネットが去年10月、子育て中の女性を対象にSNSでアンケートを行い、家づくりの悩みが、構造や価格だけでなく、「自治会や子ども会の情報が分からない」「地域の雰囲気と合わない」などの暮らしやすさへの不安に集中していたことが分かったそうです。
(6月17日 ぎふチャンDIGITAL)

 


(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり)