NPO通信No.249外来肉食魚を駆除する釣り大会
宮崎県都城市の大淀川水系で爆発的に繁殖している外来肉食魚「コウライオヤニラミ」を対象とした初の釣り大会が9月27日に開かれます。主催するNPO法人「都城大淀川サミット」(宮崎県)は「多くの人に参加してもらい、外来種の脅威への理解を深めてほしい」と話しています。朝鮮半島原産のコウライオヤニラミは2017年、大淀川水系の萩原川で生息が確認され、その後の調査で生息域が都城市全域に広がっていることが確認されました。旺盛な食欲で、オオヨドシマドジョウなど在来魚種の食害が心配されています。2024年8月には、宮崎県内水面漁場管理委員会が、大淀川での採取や持ち出し、県内他河川への移動を禁止する指示を出しました。釣り大会は同指示を周知し、駆除の機運を高めるのが狙いです。
世界アルツハイマーデーに認知症のスタッフがおもてなし
福島県いわき市でフレンチレストランを営む栗崎透さん(63)と妻の容子(63)さんは9月21日の世界アルツハイマーデーに合わせ、市内平南白土に「注文をまちがえる みんなの食堂」を1日限定で開きました。若年性アルツハイマー型認知症を患う容子さんら認知症患者がホールスタッフを務め、大勢の客をもてなしました。認知症への理解を広めるための全国一斉の取り組みに参画しました。元々、夫婦で店を営んでいましたが、容子さんの発症を機に閉めた店を1日限りでオープンさせました。同店の居抜きで子ども食堂を運営するNPO法人とともに準備を進めてきました。かつてのように栗崎さんが厨房に立ち、容子さんが接客や料理の提供を担当。認知症患者がスタッフを務めました。注文を取り、前菜やメインディッシュ、デザート、ドリンクなどコース料理をテーブルまで運びます。容子さんはワインのシニアソムリエ資格を持っており、ワイングラスに華麗に注いでいました。この日は昼、夜の2部制で営業し、約40人を迎えました。
映画「英国王のスピーチ」にちなんで
英国のチャールズ国王から「成功されることを願っています」というメッセージが、10月25、26両日に徳島市で吃音(きつおん)当事者らの全国大会を開くNPO法人「全国言友会(げんゆうかい)連絡協議会」(全言連)に届きましたた。全言連は、思うように言葉が出ない吃音を抱える人たちの全国組織です。なぜ英国王から激励の言葉が寄せられたのか。その理由は、チャールズ国王の祖父、ジョージ6世の実話を基にした映画「英国王のスピーチ」(2010年)にさかのぼります。ジョージ6世は第二次世界大戦下の国王。吃音に悩み苦しむ国王がスピーチセラピストに特訓され、国民を鼓舞するスピーチに臨む。映画は11年に米アカデミー賞の主要賞を獲得しました。ジョージ6世の長女がエリザベス女王(22年死去)であり、その長男がチャールズ国王です。この映画に感動した全言連のメンバーが12年、エリザベス女王宛てに感想を手紙に書き、ロンドンのバッキンガム宮殿に送ったところ、全言連の活動に激励の返信が送られてきました。このため、14年の全国大会を前に当時の全言連理事の小山裕之さんが「大会成功への励ましを賜りましたら幸いです」と手紙を出してみると、再び返信がありました。全国大会は毎年開いており、これ以降、毎回激励の言葉をもらえるようになりましたが、20年からは新型コロナウイルス禍のためオンライン開催が続いたこともあって手紙を出しませんでした。今回、小山さんが6年ぶりに手紙を出すと、バッキンガム宮殿のマーク入りの返事の手紙が郵送されてきて、チャールズ国王の言葉が盛り込まれていました。手紙の全文は、10月の「第59回言友会全国大会 吃音ワークショップ2025in四国・徳島」の開会式で披露されます。
(NPO会計税務研究協会 事務局 金森ゆかり) |